海外市場の振り返り
19日の米国株式市場は、米主要株価3指数とも前日終値近辺で取引を開始しました。寄り前発表の10月14日の週の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、雇用の堅調さが示唆されました。一方で、10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は、市場予想を下回りました。経済指標がまちまちとなったことに加え、朝方に米10年国債利回りが2007年以来の高水準を付けたことなどから、前日終値を挟んだ動きとなりました。正午から行われたパウエルFRB議長の講演では、FRBによる金融引締めが長期化することが改めて意識され、引けにかけて主要株価3指数は下落幅を拡大し、取引を終えました。
相場の注目点
10月31日-11月1日に開催されるFOMCを控えて、FRBは来週から公式に金融政策に関する発言を自粛するブラックアウト期間に入ります。このため市場の関心は、緊迫化する中東情勢に加えて、本格化している米国の2023年7-9月期決算発表に向かうと見られます。S&P500指数EPSは、2023年4-6月期の決算発表を終えた後も一部企業で業績予想の改善が進み、2023年7-9月期から前年同期比で増益に転換すると予想されています。2024年には2桁増益に達する見通しです。来週は、アルファベットやビザ、メタ・プラットフォームズなど主要企業が決算発表を予定しています。決算では、決算実績に加え、会社側の今後の業績見通しや経営陣のコメント等が注目されます。
本日のイベント
本日は、日本で9月全国消費者物価指数が発表される予定です。10月30-31日の日銀金融政策決定会合でインフレ見通しの修正が検討される可能性があるとの報道もあり、物価動向に注目が集まります。
(投資情報部 寺田 絢子)
(注)データは日本時間2023年10月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。
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