今月末の日銀会合に向けて銀行株に注目したい

日本の株式市場における銘柄選びの観点では、日本銀行が2023年10月30日から31日にかけて開催する金融政策決定会合に向けて、銀行株に注目します。最近の銀行株はアウトパフォームの傾向を維持していますが、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りの上昇と比較すると、やや出遅れているようです。

加えて、銀行株のアナリスト・レーティングにはまだ引き上げの余地があり、中長期的な強気材料とみなせるでしょう。過去の傾向から、アナリスト・レーティングは長期金利に半年程度遅れて変動することがわかっており、現在の金利上昇は将来的なアナリスト・レーティングの引き上げを示唆している可能性があります。

足もと、欧米では政策金利の引き上げが進行中です。米国では、米シリコンバレーバンク(SVB)などの中堅銀行の破綻により、金利上昇による銀行のバランスシートの毀損リスクへの警戒感が高まっています。一方、欧州では銀行株と長期金利の連動性が保たれています。さらに、アナリスト・レーティングもドイツの長期金利上昇が半年ほど遅れる形でポジティブに作用する傾向が確認できます。

この欧州のケースを参考にすると、日本銀行の金融政策が正常化する中では、アナリスト・レーティングの引き上げを伴う形での銀行株のアウトパフォームが期待できそうです。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「野村クオンツ・インサイト – 弱気傾斜のCTAと様子見のマクロ勢(2023年10月23日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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