決算発表シーズンに突入、武田薬品工業が1位に

日本株は決算発表シーズンに突入しました。決算銘柄が数多くランクインしています。武田薬品工業(4502)が前週の19位から1位となりました。武田の2023年7-9月期決算は、売上高が従来の野村予想を上回る一方、コア営業利益は下回りました。この背景には、クローン病向けの細胞治療薬「アロフィセル」と肺がん治療薬「エクスキビティ」の治験失敗によって減損が発生したことなどがあります。

ニデック(6594)が前週の11位から2位となりました。ニデックの2023年7-9月期決算は、売上高が野村事前推定を上回る一方、コア営業利益は下回りました。EV(電気自動車)モーターの売上高が事前推定よりもやや低く、開発費も増加したため、車載モーター事業の営業利益率が低下しました。中国市場では、出力が70キロワットのEVモーターを搭載したEVが増加しており、ニデックはその開発を前倒しで進めていると考えられます。

信越化学工業(4063)が前週の12位から3位となりました。信越化学の2023年4-9月期決算は、営業利益がQUICKコンセンサス(2023年10月26日付)を若干上回りました。シリコンウエハーなどで事業環境が厳しい中でも、高い製品競争力や販売力などが顕在化していると考えられます。なお、会社はシリコンウエハーの需要について、2023年7-9月期が大底になるのではないかと言及しました。

キヤノン(7751)が前週の18位から4位となりました。キヤノンの2023年7-9月期決算では、営業利益が野村予想を下回りました。レーザープリンターやインクジェットプリンターの売上が低調でした。会社は2023年12月期の営業利益予想を据え置きましたが、前回予想との比較では為替要因がプラスに働いているため、為替を除いたベースでは実質下方修正となります。

(FINTOS!編集部)

(注1)画像はイメージ。
(注2)各種データは2023年10月31日時点。

ご投資にあたっての注意点