「日銀と企業業績」の2つの不透明感解消とともに株安から株高に転換すると予想

先週の日本株は軟調な展開となりました。日本のハイテク株の下落には、米金利の上昇だけでなく、米ハイテク企業の失望的な決算に起因する連想売りも影響しています。日本銀行が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも、電気機械などの業績モメンタム(勢い)の弱さが表れており、第2四半期決算(Q2)によるハイテク株へのプラスの影響は期待しにくいと言えます。

さらに、日本の衆院解散・総選挙のタイミングが、来年夏の所得税と住民税の定額減税よりも後にずれ込むという見方が強まっています。短期的な株高材料が減少したことに加えて、財政政策に依存しない日本経済の自律回復というイメージが傷つく可能性もあります。

しかし、野村證券では株価回復をメインシナリオとしています。日経平均株価は前回の安値である30,527円に近づいており、海外投資家の短期ポジションは再びショート(売り)超過となりました。これは、強気ポジションの巻き戻しという形での株価の下落余地が狭まっていることを示しています。

Q2決算においても、日本企業全体としては業績予想の上方修正が優位と見ています。日銀が予想外にタカ派化(金融引き締めに積極的)することがない限り、2023年4~5月の相場展開と同様に、日銀と企業業績の不透明感が解消されることで、株安から株高に転換すると予想します。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年10月26日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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