
機械・自動車が円安効果などで上振れ、内需業種は値上げ効果が顕在化
ラッセル・野村ラージキャップ構成銘柄(以下、売上高と営業利益の集計については金融業種を除く)のうち、2023年10月31日までに全体の36%に当たる108銘柄が、2023年度第2四半期(Q2)の決算を発表しました。まだ決算を発表していない銘柄については、QUICKコンセンサスをもとに補完すると、Q2の売上高と営業利益は、それぞれ前年同期比+2.9%、同+19.2%となる予想です。2023年度第1四半期(Q1)の同+5.6%、同+10.2%と比べて増収率は落ち込みますが、営業増益率は改善するとの見方になっています。値上げの進展と原材料費高騰による影響の剥落が背景にあると考えられます。
Q2決算を発表した銘柄のうち、Q2の売上高実績がQUICKコンセンサス予想を上回った銘柄の割合は71.4%となりました。業種別で見ると、「機械・自動車」が82.4%、「エレクトロニクス」が82.4%と、多くの銘柄で予想を上回る結果となりました。これらの外需業種では、円安の影響が大きかったと考えられます。そのほか、「消費・流通」が76.2%、「公益・インフラ」が62.5%と、内需業種においても予想を上回る銘柄の割合が高水準でした。これは、値上げによる価格改定効果が想定以上であるか、あるいは販売数量の減少が想定以下であることを示唆しています。
Q2の営業利益実績がQUICKコンセンサス予想を上回った銘柄の割合は69.4%となり、Q1から大幅に改善しました。業種別では、「公益・インフラ」が88.9%、「機械・自動車」が76.5%、「消費・流通」が63.6%と、予想を上回る銘柄が多く見られました。一方、「エレクトロニクス」は52.9%と、Q1の41.4%からは回復していますが、依然として低調な状況です。全体として、現時点の決算動向は、アナリスト予想の上方修正モメンタム(勢い)が持ち直す可能性を示唆しています。
(FINTOS!編集部)
要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年11月2日配信)」(プレミアムプラン限定)
(注)画像はイメージ。