日米の金融政策見通しの変更を反映
野村證券は、日本と米国の経済見通しを改定しました。従来は米国が2023年10-12月期に景気後退に入ると予想していましたが、これを2024年7-9月期に変更しました。金融政策に関しては、FRB(米連邦準備制度理事会)が量的引き締めの停止と共に、2024年9月に利下げを開始すると見込んでいます。従来は2024年3月に利下げが始まると予想していました。
一方、日本では2023年7-9月期に実質GDP(国内総生産)が前期比でマイナス成長を記録しましたが、これは一時的な減速にとどまると見ています。金融政策のメインシナリオ(確率60%)について、従来は日本銀行によるYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の撤廃を2024年10-12月期、マイナス金利の撤廃を2025年以降と予想していました。新しいメインシナリオでは、YCCの撤廃を2024年4-6月期、マイナス金利の撤廃を2024年7-9月期以降に前倒ししました。
FRBの利下げ開始の後ずれと日銀の金融政策正常化の前倒しは、ドル円相場に相反する影響を及ぼします。今回は、特に米国景気の想定以上の底堅さを反映し、2024年に向けたドル円見通しを見直しました。
2024年3月末の見通しは、従来の1ドル=140円から148円に、そして2024年12月末の見通しは1ドル=130円から135円にそれぞれ円安・ドル高方向に修正しました。ただし、2024年にドル円相場のトレンドが円高・ドル安方向に転換するという見方自体には変わりはありません。
(FINTOS!編集部)
要約編集元アナリストレポート「国際金融為替フラッシュ – ドル円:24年に向けた見通しを修正(2023年11月20日配信)」(プレミアムプラン限定)
(注1)画像はイメージ。
(注2)各種見通しは2023年11月20日時点。