円高耐性、金利低下メリットに優れる半導体製造装置
2024年に向けたマクロ経済環境の想定としては、海外ではインフレの鎮静化が見込まれる一方で、日本国内ではデフレ脱却の動きが続くと見ています。一見矛盾しているように思えるこの想定ですが、輸入物価がピークアウトしても国内企業物価が上昇し続けるという異例の「ワニの口」現象が実際に発生しています。
この環境下で優先すべきファクター(要因)として、バリュー株よりもグロース株、景気敏感株よりもディフェンシブ株を重視しています。今回セクター推奨として、半導体製造装置を追加しました。
半導体製造装置は、輸出業種の中でもグローバルな景気循環や為替変動に対する耐性が高い点を評価しています。加えて、米国の金利低下によるドル安・円高の際には、金利低下によるバリュエーション上昇の効果を通じて株価が上昇しやすいグロース株の特性を持つ点も魅力的です。TOPIX17業種を比較した際、半導体製造装置を含む電機・精密業種は、円高耐性と金利低下メリットの観点で機械や自動車業種より優位にあります。加えて、電子部品・デバイスの在庫水準が2017年の底付近まで低下していることも、半導体関連の回復シナリオを支えています。
その他の推奨セクターとしては、値上げ効果が顕在化するシステム・アプリケーション、デフレ脱却によるメリットがある不動産、長期的な値上げポテンシャルがある食品を継続して推奨します。
(FINTOS!編集部)
要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年11月16日配信)」(プレミアムプラン限定)
(注)画像はイメージ。