高ROE、輸出、大型株の3ファクターが株高を牽引

TOPIX(東証株価指数)は、年初来高値の更新をうかがう水準にありますが、その突破にはさらなる株高材料が必要となるでしょう。米国の年末商戦に関しては、モノ消費が好調ならグローバル製造業にとって追い風となる可能性がありますが、サービス消費が過度に強い場合は賃金インフレの再加速に対する懸念が生じかねない点には留意が必要です。

日本株の物色動向を見ると、2023年の5月から6月にかけての株高ラリー局面と似た傾向が見受けられます。すなわち、「高ROE(自己資本利益率)」、「輸出」、「大型株」の3つのファクター(要因)が市場を牽引しています。日本銀行の金融政策決定会合や企業の決算発表を経て、海外投資家による日本株買いが本格化している点も同様です。2023年11月に入ってからは、CTA(商品投資顧問)による先物の買いが目立ちますが、11月第3週には現物株の買い越しも3,630億円に達し、10月第2週の4,558億円以来の高水準となるなど、拡大傾向が見られます。

現在、アジアの投資家から野村證券のストラテジーチームに対して、東証の「要請」やNISA(少額投資非課税制度)の仕組みといった基本的な問い合わせが増加しています。来年に向けて、アジア地域内でのリスク分散を目的とした日本株の購入が検討されている可能性があるでしょう。年内は、個人投資家が新NISAの開始を待って様子見となる可能性もあるため、大型株優位の相場展開が続くと見ています。

(FINTOS!編集部)

要約編集元アナリストレポート「日本株ストラテジー – 注目点とトピック(2023年11月24日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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