モメンタムは追加で2~3%程度の調整が生じる可能性

日本株の株価反発を主導してきた海外の先物投資家については、足元で減速感が強まっているものの、目先は再び株高に作用する可能性が高いでしょう。「順張り」のCTA(商品投資顧問)は、ロングポジション(買い持ち)の拡大傾向を維持しています。株価が34,000円を上抜けると、買い越しペースが徐々に加速し始めると見込まれます。

経済情勢などに基づいて売買するマクロ系ヘッジファンドも、ロングポジションの拡大が期待されます。米金利上昇への懸念が高止まりする中、米国株よりも日本株を選好する姿勢は維持される可能性が大きいと見ます。

ヘッジファンド動向については、「(買い持ちと売り持ちを同額にする)マーケットニュートラル」でのリデンプション(償還)にも注目します。今年の相対パフォーマンスの低迷を踏まえると、第4四半期から資金流出が見込まれます。ポジション(持ち高)の解消に伴い、ファクター(要因)別では「モメンタム(相場の勢い)」が調整しやすい状況になるでしょう。

11月に入ってからのモメンタムファクターは既に約4%調整していますが、過去の傾向に従えば、リデンプション対応が一段落すると見られる12月中旬までに、追加で2~3%程度の調整が生じる可能性があるでしょう。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

要約編集元アナリストレポート「野村クオンツ・インサイト – マクロヘッジファンドと「年末ラリー」(2023年11月27日配信)」(プレミアムプラン限定)

(注)画像はイメージ。

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