※2023年12月27日(水)引け後の情報に基づき作成しています。

保ち合い上放れへ向けた動きが期待

今週の日本株は、欧米がクリスマス休暇に入る中、横ばいで始まったものの、連休明けの米国株高を受けて27日は大幅上昇となりました。

日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、12月18-19日の日銀金融政策決定会合を無難に通過したことで、12月中旬に上値を抑えられていた25日移動平均線(27日:33,168円)を突破しました(図1)。その後、6月以降の保ち合い上限のある33,700-800円台まで上昇しました。6月以降の保ち合いは、既に半年が経過しており、この先11月20日高値(33,853円)を超え、保ち合い上放れへ向けた動きとなることが期待されます。

一方で上値が重く再び25日線(27日:33,168円)を割り込んだ場合は、12月8日に下支えとなった75日線(同:32,483円)の水準を維持できるか注目されます。

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(注1)直近値は2023年12月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に中長期的な動きを確認すると、2023年初夏に33,000円台後半で上値を抑えられた後は、大きな上昇局面内の一旦の調整である「中段保ち合い」に移行したと考えられます(図2)。中段保ち合いに移行してから既に約半年が経過し、10月安値までの下落率は9%を超えました。

波動構成上参考となる過去の中段保ち合い局面(2020年6月~10月末)と比較して、日柄や下落率の面で調整が十分となっていると捉えられます。この先、再度中段保ち合いの上限を突破し、本格的な上昇局面入りとなることが期待されます。

(注1)直近値は2023年12月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

新春特集:日経平均株価 2024年の見通し

2023年日経平均株価は、年前半は、①東証PBR改善要請、②米著名投資家の日本株への追加投資報道、③「生成AI」用途の半導体需要への期待等から大幅上昇となり、33年ぶりの高値をつけました。ただ、後半は日米金利上昇を受けて上値の重い動きとなりました。

チャート分析面でみれば、2024年の日経平均株価は、2023年夏から続く保ち合いをこなした後、中長期上昇トレンドに回帰し、史上最高値(89年12月:38,915円)を視野に入れる動きとなると考えられます。

月足チャートで過去の中長期上昇局面における上昇倍率をみると、1.6~2.6倍となっています(図3:①~③)。そのうち最低の上昇倍率である1.6倍を2022年3月安値(24,717円)に当てはめると39,547円と試算されます。

(注1)直近値は2023年12月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

チャート上の次の重要なフシは1989年12月につけた史上最高値(38,915円)であり、2024年はそれらの水準を視野に入れる動きとなると考えられます(図4)。

(注1)日次終値データより月足チャート作成。直近値は2023年12月27日時点 。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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