※2024年1月25日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

中段保ち合い上放れが明確に、短期的には過熱感も

日経平均株価は1月に入り大幅上昇しています。22日には終値で36,500円台まで上伸し、1月の上昇幅は3,000円を超えました。これまでの上昇で、2023年7月以降の約半年続いた中段保ち合い上限(33,700円前後)の上放れが明確となっており、中長期上昇局面に回帰したと捉えられます。引き続き、2023年7月高値~10月安値の押し幅の倍返し水準(36,980円)に向けた動きが続くと考えられます(図1)。

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(注1)直近値は2024年1月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、昨年末から急上昇となったことで、短期的な過熱感も見られます。上昇一巡後に36,000円を割り込んで押しを入れる場合は、1月18日安値(35,371円)や、1月11日~12日のマド埋め水準(35,157円)、そして上向きの25日移動平均線(1月25日:34,506円)などが下値のメドとして挙げられます(図2)。

(注1)直近値は2024年1月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

ちなみに前回(2020年3月~2021年9月)の中長期上昇局面内の中段保ち合い(2020年6月~10月末)突破後の動きをみると、3ヶ月半にわたり25日移動平均線を下支えとする上昇傾向が続き、上昇幅(2020年10月末~2021年2月高値)は7,000円を超えました(図3)。

今回は、2023年12月末に中段保ち合いを上抜けた後、1ヶ月弱で3,000円を超える急上昇となりましたが、前述の局面を参考とすれば、調整をこなしつつ、春先にかけて上昇基調自体は続き、史上最高値(38,915円)が視野に入ってくると考えられます。

(注1)直近値は2024年1月25日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

米国10年債利回り、今年に入り上昇も一時的な動きに留まるか

米国10年債利回りは、昨年10月ピーク(5.018%)形成後に大幅低下しましたが、堅調な経済指標等を受けて、12月27日ボトム(3.781%)から上昇傾向となり、4.1%台まで上昇しています(図4)。1月23日時点で低下幅(23/10~12)の半値戻し(4.399%)を達成しておらず、戻り余地はあると考えられるものの、中長期波動の観点からみれば、これらの上昇は一時的な上昇に留まる可能性が高いと考えられます。

(注1)直近値は2024年1月23日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

過去の主要な利回り上昇局面を検証すると、昨年10月ピークまでの上昇幅(4.7%)や上昇期間(44ヶ月)は、値幅、日柄の両面で過去の規模(図5:①~③)を上回っており、昨年10月ピークが中長期波動上の天井となった可能性が高いと考えられます。

昨年12月ボトムまで大幅低下した後は再び上昇していますが、これらを参考とすると、この動きは昨年10月ピークに対する二番天井を形成する動きに留まる可能性が高いと考えられます。上昇一巡後に低下に転じ、これまで下支えとなってきた12ヶ月移動平均線(1月23日:4.015%)を完全に割り込めば、中長期的な利回り低下トレンド入りの確度がさらに高まったと捉えられます。

(注1)直近値は2024年1月23日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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