日本株が新年に入って勢いづいています。日経平均株価は1月22日に終値で36,500円台まで上伸し、1月の上昇幅は3,000円を超えました。2024年・辰年よろしく「昇竜」相場を地で行く展開です。年初からの株価上昇により、チャート面では2023年7月以降の約半年続いた中段保ち合い上限(33,700円前後)からの上放れが明確となり、2011年以降に経験した①~③に匹敵するような中長期的な上昇局面に移行した可能性が高まったと考えられます(下図参照)。

日経平均株価はこの先どこまで上がるでしょうか?ここまでくれば、1989年末に付けた過去最高値(38,915円)、さらには4万円の大台が現実的なターゲットとして視野に入ってきます。数年前までは、それを堂々と口にする市場参加者はほぼ皆無だったでしょう。しかし、今では2024年中の過去最高値の更新を掲げる相場予測もさほど珍しくなくなりました。企業改革加速への期待や新NISA(少額投資非課税制度)なども追い風となると考えられ、マーケットでも最高値更新の可能性を受け入れるファンダメンタル的な要素が整ってきたとも言えそうです。

さて、日経平均株価のチャート分析(下図)に話を戻しましょう。2022年3月安値(24,717円)から直近1月22日高値(36,546円)までの上昇倍率は約1.5倍です。2011年以降の①~③の局面における上昇倍率はそれぞれ①約2.6倍、②約1.6倍、③約1.9倍でしたので、単純比較でいえば上昇余地はまだ残っていると考えられます。2021~22年にわたる株価調整をこなして、潜在的な上昇エネルギーも十分です。仮に「最も控えめ」な②の倍率を当てはめても、2022年3月安値(24,717円)×1.6倍=39,547円と試算されます。実現可能性の観点からは、「過去最高値更新からの4万円超えシナリオ」は、さほどチャレンジングな目標でもなさそうです。  

相場は山あり谷あり、谷深ければ山高し。資産バブル崩壊後の大底を見るまで実に20年近い月日を要した日本株ですが、最高値登頂後のその先に見える新たな山の高さは果たしてどれくらいになるでしょうか。

テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

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