来週の注目点:米大統領選挙とFRB高官発言、日本の毎月勤労統計

1月30日(火)~31日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では大方の事前予想通り政策金利は据え置かれました。声明文では政策スタンスの中立化を示す文言変更が行われましたが、会合後の記者会見でパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が次回3月FOMCでの利下げに慎重な姿勢を示したことから、米国市場では主要株価指数の一部が大幅下落しました。一方、先物市場では2024年末までに5~6回の利下げと、FOMC前よりも利下げの織り込みが進んでいます。

米国では引き続き大統領選挙が注目を集めそうです。共和党の大統領候補選びはトランプ前大統領が圧倒的に優勢であり、3月5日のスーパーチューズデーを待たずに決着が付きそうな勢いです。経済指標では、2月5日(月)の1月ISMサービス業景気指数が注目されます。また3月FOMCでの利下げ実施の可能性を探る上で、FRB高官の講演が注目を集めそうです。

日本では6日(火)発表の12月毎月勤労統計への注目度が高まっています。日銀は春闘で23年を上回る賃上げ率が妥結されることを、政策判断の重要ポイントとして挙げています。ただし、毎月勤労統計では実質賃金の前年比上昇率がマイナス圏で推移するなど、春闘での賃上げが広く就業者全体の賃上げにはつながっていないことを示唆しています。実質賃金上昇率のマイナス幅が拡大するようならば、日銀の政策判断にも影響する可能性があります。

中国では5日(月)の1月財新版サービス業PMI、8日(木)の1月物価統計が注目を集めそうです。

欧州で注目度が高い統計としては、 6日(火)のドイツの12月製造業受注、ユーロ圏の12月小売売上高が挙げられます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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