SNS広告・Eコマース・クラウドが堅調、AIの貢献が本格化

GAFAMの2023年10-12月期決算は、各社とも売上高と一株当たり純利益が市場予想を上回りました。一方で、決算発表後1営業日の株価騰落率はまちまちで、年初来の騰落率でも優勝劣敗が鮮明です。

各社ともクラウドとAIのビジネスを行っていますが、決算内容では、①メタのSNS広告やアマゾンのEコマース/AWSの好調、②それらへのAIサービスの貢献、③利益を基にしたAI投資拡大の組み合わせが株式市場では好感されたと推察します。アップルは、新しいAI製品のリリース時期が遅いと市場が受け止めた可能性があります。

メタ、アマゾン、マイクロソフトの利益見通しが引き上がる

マイクロソフトの時価総額が2024年1月11日にアップルを抜き2年振りに世界首位となったことが話題となりました。マイクロソフトの純利益はAIビジネスのけん引により成長が予想されています。年間純利益額のグラフのように、2025年時点ではまだアップルに及ばないものの、その後逆転することが見込まれているといえそうです。

決算を受けた各社の純利益額の市場予想はメタ、アマゾン、マイクロソフトで引き上げられ、株価の騰落と整合的です。アマゾンは、今後数年で生成AIは数百億ドルの売上高を生む、と見込んで設備投資を行っています。先行するマイクロソフトにアマゾン、アルファベット、メタがどのように追いつくかが注目されます。プライバシー保護法などでやや苦境に立たされたGAFAMの業績の再拡大は、AIの利用拡大が背景にあると考えられます。

(執筆:投資情報部 竹綱 宏行)

(注)GAFAMは、グーグル、アップル、メタ(旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフトを指す。
(出所)会社資料、ウルフ・リサーチ社、LSEG(旧リフィニティブ)より野村證券投資情報部作成。

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