※2024年2月8日(木)引け後の情報に基づき作成しています。2月9日(金)前引け時点の日経平均株価終値は、37, 029円となっています。

日柄調整をこなした後、大幅上昇

日経平均株価は、1月下旬から36,000円を挟み一進一退で日柄調整をこなす動きとなっていましたが、2月8日の大幅上昇によって終値で36,863円まで上昇し、約34年ぶり高値を更新しました。

1月初旬に、昨年7月以降の約半年続いた中段保ち合い上限(33,700円前後)の上放れが明確となっており、中長期上昇局面を形成中だと考えられます。この先、2023年7月高値~10月安値の押し幅の倍返し水準(終値ベース:36,980円)を終値で上回れば、史上最高値(38,915円)に向けた動きが続くと考えられます(後述:図2)。

一方、仮にこの先の上値が重く一旦調整となった場合は、上向きの25日移動平均線(2月8日:35,650円)や、1月26日安値(35,687円)、1月18日安値(35,371円)、また1月10日から12日の上昇にかけて空けた2つのマド埋め水準などが下値メドとして挙げられます(図1)。

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(注1)直近値は2024年2月8日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に中長期的な動きを確認してみましょう(図2)。前回の中長期上昇局面(20/3~21/9)内の中段保ち合い(20/6-10末)突破後の動きをみると、3ヶ月半にわたり25日移動平均線を下支えとする上昇傾向が続き、上昇幅(20/10末~21/2高値)は7,000円を超えました。しかし、今年1月に中段保ち合い上抜け後の上昇は、1ヶ月強で3,000円を超える上昇(23/12末~24/1高値)に留まっています。前述の局面を参考とすれば、一時的な調整をこなしつつ、春先にかけて中長期的な上昇基調自体は続くと考えられます。

(注1)直近値は2024年2月8日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

TOPIX、2月に平成バブル崩壊後の戻り高値を更新

TOPIXは、2月8日に取引時間中の1月高値を超え、平成バブル崩壊後の戻り高値を更新しました。今回はTOPIXについてチャート分析面からみてみましょう(図3)。

TOPIXは2023年に約1年続いた保ち合いを上抜けしており、保ち合い上抜け前の安値である2023年1月安値(1868.15pt)を起点とする中長期上昇相場に入っていると考えられます。コロナショック時の安値を起点とする前回の中長期上昇局面では、上昇率が71.4%に達しました。一方で2023年1月安値からの上昇率は37.2%(24年2月8日時点)に留まっており、今後の上昇余地が大きいと考えられます。

また、前回の中長期上局面の動きをみると26週移動平均線を下支えとして上昇継続となりました。今回の中長期上昇局面においても、昨年9月から12月にかけての一時的な調整時に、26週線(2月8日:2369.40pt)が下支えとなりました。今後も同線を下支えとしながら、史上最高値(1989年12月:2884.80pt)を視野に入れる上昇となると考えられます。

(注1) 直近値は2024年2月8日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)東京証券取引所データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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