※2024年2月15日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

13日に前日比で1,000円超上昇

今週の日経平均株価は、13日の1,000円を超える大幅上昇に象徴される強い動きを示しました。好決算を材料に半導体関連や保険セクターなどが急伸し、日経平均株価を押し上げました。

日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう。1月下旬から36,000円を挟み一進一退で日柄調整をこなす動きとなりましたが、2月13日に大幅上昇し、15日には38,100円台まで上昇しました。目先は直近急騰した反動も見込まれますが、引き続き史上最高値(38,915円)に向けた動きとなると考えられます。一方、この先の上値が重く一旦調整となった場合は、上向きの25日移動平均線(2月15日:36,284円)が下支えとなると考えられます(図1)。

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(注1)直近値は2024年2月15日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

ここで前回の中長期上昇局面(20/3~21/9)内の中段保ち合い(20/6-10末)突破後の動きをみると、3ヶ月半にわたり25日移動平均線を下支えとする上昇傾向が続き、上昇幅(20/10末~21/2高値)は7,000円を超えました(図2)。一方で、今年1月の中段保ち合い上抜け後の上昇は、2ヶ月半で4,600円を超える上昇(23/12末~24/2高値)となっています。前述の局面を参考とすれば、上向きの25日線を下支えとしながら、さらなる上昇となる可能性が高いと考えられます。

(注1)直近値は2024年2月15日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

中長期上昇波動の中での現在地は

日経平均株価は、2022年3月安値(24,717円)を大底として、今年2月には38,100円台の水準まで上昇しました(2月15日時点)。足元で中長期的な上昇局面を形成中だと考えられますが、株価の動きは波動を形成すると考えられ、これまで上昇傾向にある株価が、この先いつまでも上がり続けるということはなく、いずれ天井を形成し下落局面が訪れると考えられます。では、現在の株価は波動の中でどの位置にいると考えられるのでしょうか。 

月足チャートを確認すると、2010年以降に3度あった中長期上昇局面(図3:①~③)における上昇倍率は、1.6~2.6倍となっていました。しかし今回は1.5倍に留まっており、最低の上昇倍率に届いていません。これらの点からみれば、この先も上昇余地があるとみられ、当面は中長期上昇局面が継続すると考えられます。  

(注1)直近値は2024年2月15日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

もっとも、先行き中長期トレンド上の天井を形成した後は、過去の動きを参考とすれば、1年を超える中長期的な調整や停滞の局面を迎えると考えられます。ただ、重要なのは、これらの中長期トレンドを内包する10年を超える超長期トレンドは上向きだと考えられるということです(図4)。すなわち、先行き中長期トレンド上の天井を形成したとしても、その数年後にはそれら天井を超える動きとなる可能性も十分考えられます。

(注1)日次終値データより月足チャート作成。直近値は2024年2月15日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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