損保株や半導体関連株が上位にランクイン

日本企業の2023年10-12月期の決算発表シーズンがほぼ一巡しました。今回、東証上場の中でも特に時価総額の高い銘柄から成る「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2024年1月1日から2月16日までの期間で決算を発表した銘柄について、発表当日と翌日の株価の変化率に基づいてランキングを作成しました。トヨタ自動車(7203)のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表前日と当日の株価を比較しました。

上位には損保株が複数ランクインしました。1位がMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、13位がSOMPOホールディングス(8630)、15位が東京海上ホールディングス(8766)となっています。損保株については決算発表前に、金融庁が損害保険大手4社に政策保有株の売却を加速するよう求めたとの報道があり、市場の注目を集めていました。各社の決算は会社計画に対して利益の進捗率が順調でした。また、政策保有株については、複数の企業から売却を加速する方向で検討しているとのコメントも見られました。

半導体関連株も複数ランクインしています。2位には東京エレクトロン(8035)がランクインしています。同社の決算は、2023年10-12月期の粗利率が四半期ベースで過去最高になるなど堅調でした。8位にはルネサスエレクトロニクス(6723)がランクインしています。同社の決算では、約20年振りの復配に加えて、5%を超える自己株式を原則消却する方針が発表されました。

今回の決算発表シーズンでは、自社株買いの増加がサプライズとなりました。足元、全上場企業の自己株式の取得枠の設定額は2022年および2023年のペースを上回って推移しています。3位の三菱商事(8058)は、発行済み株式総数(自己株式を除く)の10%にあたる上限5,000億円の大規模な自社株買いを発表しています。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

(注1)画像はイメージ。
(注2)本記事は2024年2月21日作成。

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