来週の注目点:米地区連銀総裁発言、日米中の経済指標に注目

堅調な米国経済や企業業績が相場を下支えし、米国株は上昇基調が続いてきましたが、足元で上値が重くなっています。足元の米経済指標でインフレ圧力が根強いことが示唆され、FRB(米連邦準備理事会)による早期利下げへの期待が後退したことが一因です。今後の金融政策を占う上では、28日(水)~3月1日(金)に控える米地区連銀総裁等の講演に注目が集まります。

また、24日(土)に米サウスカロライナ州で共和党の予備選が開催されます。共和党の候補者選びはトランプ前大統領が圧倒的に優勢な状況が続いています。候補指名を争うヘイリー元国連大使は、足元の予備選での勝利をあきらめて、「スーパーチューズデー」などの予備選が集中する3月上旬に照準を合わせている模様です。仮にトランプ前大統領の再選可能性が高まると、グローバルなインフレ及び金利上昇圧力と、為替市場でドル高・円安圧力への期待が強まる可能性があります。

米経済指標は、26日(月)に1月新築住宅販売件数、27日(火)に2月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日(木)の1月個人消費支出・所得統計、3月1日(金)に2月ISM製造業景気指数などが発表されます。

日本では、27日(火)に1月全国消費者物価指数が発表されます。エネルギー、食料価格や宿泊料などの上昇一服に伴い、前月からの減速が見込まれます。今後は通貨安や人件費の上昇を企業が価格転嫁する動きがインフレ押し上げにつながる可能性があります。

景気の減速が続いている中国では、3月1日(金)に2月政府版PMI、2月財新版・製造業PMIが発表されます。報道によれば、2019年以降で移動規制のない初めての旧正月を迎え、観光業は堅調な模様です。一方、不動産業や製造業は引き続き低迷が見込まれています。 

(野村證券投資情報部 坪川 一浩)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年2月22日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
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