※2024年2月29日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

今週(2月26日〜)の日経平均株価は、連休前の2月22日から27日まで3営業日連続で史上最高値を更新した後は、短期的な過熱感が意識され、上値の重い展開となりました。

日経平均株価のこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1・2)。

約半年の保ち合いを上放れ、史上最高値

日経平均株価は、1月に入り約半年の保ち合いを上放れし、大幅上昇となりました。

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 (注1)直近値は2024年2月29日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

終値で2月13日に2023年7月高値~10月安値の押し幅の倍返し水準(終値ベース:36,980円)を超え、22日には約34年ぶりとなる史上最高値(38,915円)突破となりました(図1)。

反動をこなしつつ、4万円を目指す動きへ

この先、急上昇の反動をこなしつつ、心理的フシの4万円の水準を目指す動きとなると考えられます。

(注1)直近値は2024年2月29日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。

(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、各種テクニカル指標には短期的な過熱感も見られており、一旦押しを入れる場合は、日々価格を切り上げている上向きの25日線(2月29日:37,380円)が下支えとなると考えられます(図2)。

中長期上昇局面の観点からは上昇余地

次に長期的な動きを確認してみましょう(図3)。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。

(注1)直近値は2024年2月29日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。

(出所)日本経済新聞社データ、各種資料より野村證券投資情報部作成

現在の上昇倍率は1.59倍となっています。これは過去の長期上昇局面(①~③:1.6倍~2.6倍)のうち、最も低い上昇倍率(②:1.6倍)と同等の動きに留まっています。前回(③)の上昇倍率である1.9倍を2022年3月安値に当てはめると46,962円と試算され、この先も上昇余地があると考えられます。

超長期トレンドで「10万円超え」はあるか

さらに、10年を超える超長期トレンド(図4)についてみると、2009年安値形成後は上向きに転じ、15年で約5.6倍となりました。前回の超長期上昇トレンドは1950年安値~1989年高値の約40年で450倍を超える上昇となっています。

(注1)直近値は2024年2月29日。(注2)トレンドラインや主な上昇局面の期間の取り方等については主観が含まれておりますのでご留意ください。 (注3)日柄については、両端含む。

(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

同、上昇局面においては朝鮮特需景気の後半である1953年に400円台に乗せ、その約20年後の列島改造ブームの1972年に4,000円を超えました。そしてさらに17年後の1989年に38,915円をつけ、40,000円に迫る水準まで上昇しました。その後の長期低迷を経て現在再び40,000円の水準が意識されています。2009年安値形成後の超長期上昇トレンドがこれからも続くとすれば、十数年後には10万円超えとなっている可能性もあり、将来「40,000円の時代もあった」と振り返ることができるかもしれません。

この先、心理的フシの40,000円前後の水準では、一旦上値が抑えられる可能性が考えられますが、長期や超長期トレンドの観点から俯瞰すれば、それら水準は通過点となると考えられます。

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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