※2024年3月21日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

次の上値メドは、押し幅の倍返し

今週の日経平均株価は、週初に前週末比で1,000円を超える大幅高となった後、日米金融政策決定会合を経て、さらに上昇し、史上最高値を更新しました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、3月12日にかけて下落し、一時38,271円まで下落する場面がありましたが、上向きの25日移動平均線を下支えとして大幅反発となりました(図1)。その後、19日の日銀によるマイナス金利解除を大きな波乱なく乗り越えて4万円の大台を回復し、さらに20日の米FOMC後の米国株高を受けて、21日には3月7日高値(ザラバベース:40,472円)を突破しました。

この先の上値メドとして、3月7日から12日にかけての押し幅の倍返し水準(42,673円)が挙げられます。一方で、1月に入ってからの大幅上昇の期間は約2ヶ月半となるなど日柄が経過しています。一旦押しを入れる場合、これまで下支えとなってきた25日線(3月21日:39,171円)が次も下支えとなるか注目されます。

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 (注1)直近値は2024年3月21日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

長期的な動きも確認してみましょう(図2)。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。これまでの上昇倍率は1.65倍となっていますが、これは過去の長期上昇局面(①~③:1.6倍~2.6倍)のうち、最も低い上昇倍率(②:1.6倍)をやや超えた動きに留まっています。

前回(③)の上昇倍率である1.9倍を2022年3月安値に当てはめると46,962円と試算され、この先も上昇余地があると考えられます。

(注1)直近値は2024年3月21日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

上海総合指数、本格的な上昇相場入りとなるか注目

3月にNYダウ、日経平均株価が共に史上最高値を更新する中、これまで低迷が続いていた中国株もチャート上の変化の兆しがみられます。

上海総合指数は、低迷する不動産市況や景気に対する懸念から今年に入り、2005年安値形成後の超長期上昇トレンドラインを一旦割り込み、チャート上の悪化のサインに対する懸念が高まりました(図3)。しかし、その後は、政府系機関による買い支えや、全人代(国会に相当)を経て、景気対策期待を受けて、前述の上昇トレンドライン上に復帰しつつあります。

(注1)月足は終値ベース。直近値は2024年3月18日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

次に週足チャートに注目すると、今年2月に昨秋から上値を抑えられてきた13週移動平均線(2月23日時点:2,925pt)を突破し、3月には昨年5月高値形成後の下降トレンドライン(3月8日時点:3,050pt前後)を上抜けました(図4)。

現状では一時的な戻し相場に留まる可能性も考えられますが、この先、2021年9月高値形成後の下降トレンドライン(3月18日:3,220pt前後)を超える動きとなれば、これまで約2年半続いてきた低迷相場が終了した可能性が高まったと考えられ、本格的な上昇相場入りの確度が高まったと捉えられます。

今年2月から3月にみられた数ヶ月のトレンド変化が年単位の大きな変化へと繋がっていくか注目されます。

 

(注1)直近値は2024年3月18日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成

(投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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