海外市場の振り返り

FRB(米連邦準備理事会)は3月19-20日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催し、大方の事前予想通り5会合連続で金融政策の据え置きを決定しました。注目された政策金利見通し(中央値)では、2024年中に0.75%ポイント、1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、3回の利下げ見通しが示されました。米国では想定以上にインフレが粘着的なことを示唆する指標が相次いだことから、市場では今回のFOMCでは24年中の利下げ見通しが2回に修正されるとの見方が高まっていました。FRBの利下げ見通しが維持されたことが好感され、米国株式市場では主要3指数が揃って続伸し、終値ベースで史上最高値を更新しました。米国債市場では短期債中心にイールドカーブ全域にわたって金利が低下し、FOMCの結果発表後、ドルは主要通貨に対し全面安の展開となりました。ドル円レートは1ドル=151円近辺で推移しています。

相場の注目点

FRBの経済見通しでは、24年の実質GDP成長率、コアインフレ率見通しがともに上方修正されました。また、政策金利見通しについても24年中に3回との利下げ見通しは維持されましたが、4回以上の大幅利下げを予想したFOMCメンバーは前回の5名から1名に減少、25年の利下げ回数も4回から3回に減少するなど、全体的には利下げに慎重な見方が強まっています。パウエルFRB議長は会合後の記者会見でインフレの目標に向けた減速に自信が持てるまで利下げ開始を急がない姿勢を示した一方、「今年中に」緩和を始めるのが適切になるだろうと発言し、市場では利下げ開始は年後半にずれ込むものの、年内中に3~4回の利下げが再び織り込まれています。日本銀行、FRBの金融政策会合を消化し、為替市場では151円台まで円安ドル高が進行したことから、目先は日本の政策当局による為替介入姿勢が注目されます。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年3月21日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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