海外市場の振り返り

21日の米国株式市場では、主要3指数とも続伸しました。スイス中銀(SNB)が市場予想に反し主要政策金利を1.50%に引き下げ、また、英中銀(BOE)が5会合連続で政策金利を5.25%で据え置いたものの、ベイリー総裁が「利下げ開始に向け順調」と発言したことが、日米の中銀会合と同様にハト派的と受け止められました。米国10年債利回りはこれらを受け低下したものの、3月フィラデルフィア連銀景況指数、2月中古住宅販売、2月コンファレンスボード景気先行指数がいずれも市場予想を上回ったことで、低下幅をやや縮めました。米株式市場は、引き締め的な金融政策からの出口戦略と、堅調な経済成長が両立していると受け止め、NYダウ、S&P500、ナスダック総合は揃って最高値を更新しました。昨日好決算を発表したメモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジーや、イベントが好感されたブロードコムが上昇した一方、米司法省から独占禁止法違反で提訴されたアップルは下落しました。

相場の注目点

米国株式市場では、金融引き締めからの出口戦略と安定的な経済成長が今後継続するかを知るうえで、FRB(米連邦準備理事会)高官の発言が注目されます。本日はアトランタ連銀ボスティック総裁の発言が予定されています。

エヌビディアが開催したAIの専門家や業界リーダー企業によるイベント「GTC」で、多くの新しいAI関連サービスが紹介されたことや、マイクロン・テクノロジーの決算でメモリー半導体の平均販売価格がAI関連のデータセンター設備投資の急増により上昇が鮮明となったことが市場の話題となりました。AIは、現在は半導体を中心に設備投資資金が投入されている段階ですが、今後AIサービスの普及が経済成長の重要な要素である生産性の向上にどの程度貢献するかが注目されます。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2024年3月22日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

※画像はイメージです。

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