(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

4日の米国株式市場では、主要3指数揃って下落しました。先週の新規失業保険申請件数が2024年1月以来の水準まで増加し米金利が低下したことが好感され、主要指数は堅調に推移しました。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相がバイデン米大統領との電話会議において、イランとその代理勢力に対して対抗措置を講じると発言したことを受け、中東情勢緊迫化による地政学リスクが強まり、主要指数は下落に転じ、終盤にかけて軟調に推移しました。

相場の注目点

中東情勢の緊迫化を受け、原油価格が上昇しています。4日、WTI原油先物価格は一時、1バレル=87.22ドルと2023年10月下旬以来、約5ヶ月ぶりの高値を付けました。中東情勢の緊迫化は、地政学リスクの強まりだけでなく、原油価格の上昇に伴うインフレ高止まりの要因にもなります。FRBによる利下げのタイミングに焦点が当たる中、足元の中東情勢は株式市場にとって重要な要素となりそうです。

本日のイベント

本日は、米国の3月雇用統計が発表されます。市場では、非農業部門雇用者数が前月から21.4万人増加したと予想されています。足元では、良好な経済指標がFRBの利下げを後ずれさせ、株価を押し下げるという、「良いニュースは悪いニュース」の流れが復活しています。本日発表される雇用統計が仮に米国経済の力強さを印象付けるものとなれば、さらなる米金利上昇を招くとみられ、注意が必要です。

(投資情報部 大坂 隼矢)

(注)データは日本時間2024年4月5日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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