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米国:2024年1-3月期決算プレビュー

1-3月期は前年同期比+3.5%予想

4月中旬から、S&P 500 指数構成企業の2024年1-3月期の決算発表が本格化します。2024年3月28日時点の調査会社LSEG(旧リフィニティブ)集計による市場予想平均では、同期の四半期EPS(1株当たり利益)は、前年同期比+3.5%と予想されていて、2023年10-12月期の同+7.5%と比べ、増益率が鈍化する見込みとなっています。

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2023年10-12月期は、2023年12月22日時点の集計では同+2.9%と予想されていましたが、決算実績が事前のアナリスト予想平均を上回るポジティブサプライズの比率が純利益については76.3%となったことで、実際には同+7.5%まで拡大しました。同様の傾向が続けば、2024年1-3月期も、現時点での予想よりは高い増益率となる可能性は高いと考えられます。

アナリスト達は慎重に見直している模様

リビジョンインデックスの動向をみると、2024年3月27日時点では、FY1(予想1期目)は0.98、FY2は1.18となっています。

2024年1-3月期の決算発表を前に、アナリスト達は2024年12月期の業績予想を慎重に見直しているとみられます。

決算発表時の注目点

年度ベースでのEPSをみると、2024年は前年度比+9.7%と、2023年度の+1.5%から増益率が拡大すると予想されています。

2023年度は年前半が減益局面だったこともあり、前年比微増益でしたが、2024年度以降は、米企業業績は拡大基調となり、過去最高益を更新していくと予想されています。米国企業が、独自の技術力やビジネスモデルで中長期的に業容を拡大していくことが、業績予想に織り込まれていると推察されます。

今後、2024年1-3月期決算の発表が本格化した際には、足元の業績動向に加え、2024年4-6月期の会社業績見通しや、前回、2023年10-12月期決算の際に示した2024年12月期通期の会社業績見通しの修正動向を確認したいと考えます。そして、経営陣のコメントなども含め、2024年度以降、過去最高益を更新していくというアナリスト予想平均の確からしさについて、チェックしていきたいと考えます。

(野村證券投資情報部 村山 誠)

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