※画像はイメージです。

※2024年4月4日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

38,000円前後の2つのフシが下値メド

今週の日経平均株価は史上最高値圏で売り買いが交錯し、上値の重い展開となりました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、3月19日の日銀によるマイナス金利解除を大きな波乱なく乗り越え、22日に一時41,087円まで上昇しました。ただ、年初の33,000円台からの大幅上昇の期間が約3ヶ月となるなど日柄が経過する中、3月22日高値形成後は押しを入れています。

4月に入り、1月以降の上昇局面で下支えとなってきた25日移動平均線(4月4日:39,796円)前後の水準まで下落しており、この先、同線を明確に割り込んだ場合は、3月12日安値(38,271円)や、昨年10月安値から今年3月高値までの上昇幅に対する1/3押し(37,553円)の水準が下値メドとして挙げられます。

一方で、調整一巡後に反発となった場合は、3月22日高値(41,087円)を突破することができるかが注目点です。

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(注1)直近値は2024年4月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に長期的な動きを確認してみましょう(図2)。現在は2022年3月安値(24,717円)を起点とする中長期上昇局面を形成中だと考えられます。これまでの上昇倍率は1.65倍となっていますが、これは過去の長期上昇局面(①~③:1.6倍~2.6倍)のうち、最も低い上昇倍率(②:1.6倍)をやや超えた動きに留まっています。

前回(③)の上昇倍率である1.9倍を2022年3月安値に当てはめると46,962円と試算されます。この先、短期(数週)や中期(数ヶ月)の調整を挟む可能性はあるものの、それら押しをこなしつつ、さらなる上昇となると考えられます。

(注1)直近値は2024年4月4日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

中期・長期トレンドをどうみるか

日経平均株価の今回の長期上昇トレンドの起点は大底である2022年3月安値(24,717円)や、本格上昇前の安値である昨年1月安値(25,716円)が挙げられ、そこから長期上昇局面が継続中だと考えられます。この長期上昇局面は、昨年1月~7月の上昇局面、同年7月~12月の中段保ち合い局面、そして今年1月からの上昇局面に分けることができます。

今年1月からの上昇局面(中期上昇トレンド)をみると、上昇期間でみて既に3ヶ月が経過し、また上昇率は1月4日安値から3月高値までで23%、昨年10月4日安値から同高値までで34%となっています(図3)。この上昇局面と比較する上で波動構成上参考になるのは、2020年10月から2021年2月にかけての上昇局面です。この局面では上昇期間が3ヶ月半、上昇率が33%となり、天井を形成しています。

これらと比較すると、1月以降の上昇局面は、反動の動きに注意を要する時期に入ってきているとみられ、数週から数ヶ月程度の調整を挟む可能性が考えられます。

 (注1)直近値は2024年4月4日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
 (出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方、これら中期的な波動を内包する長期上昇トレンドには、今後も上昇余地があると考えられます(図2)。例えば前回の長期上昇局面を今回に当てはめると46,962円と試算されます。今年1月以降の大幅上昇に対する反動の動きには注意が必要ですが、それらの押しをこなしつつ、さらなる上昇となると考えられます。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

ご投資にあたっての注意点