(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

12日の米国株式市場は懸念材料が重なり、主要3指数ともに前日比で下落しました。イスラエルがイランによる本土攻撃に備え警戒態勢、と報じられ、WTI価格は一時1バレル=87ドルを超えました。また、寄り前に発表されたJPモルガン・チェース、シティグループ、ウエルズ・ファーゴの大手銀行の2024年1-3月期決算は、いずれも市場予想を上回る純利益となりましたが、金利収入が市場予想に届かず、24年の通年ガイダンスでも金利収入の弱さが示唆されました。さらに、4月のミシガン大学消費者センチメント(速報値)は77.9と前月(79.4)を下回り、1年先期待インフレは3.1%、5~10年先期待インフレ率は3.0%といずれも前月(それぞれ2.9%、2.8%)を上回りました。加えて、シカゴ連銀のグールズビー総裁、カンザスシティ連銀のシュミット総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁が従来通りながらも、改めて利下げに慎重なスタンスを表明しました。

相場の注目点

今週は、米国では15日(月)に4月NY連銀製造業景気指数、3月小売売上高、16日(火)に3月住宅着工・建設許可件数、3月鉱工業生産、18日(木)に4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月中古住宅販売件数などが発表されます。住宅市場の一部には回復の兆しも見える中で、金利上昇が水を差す懸念がありますので、要注目です。一方、中国では16日(火)に24年1-3月期実質GDP、3月小売売上高と鉱工業生産、1-3月固定資産投資と不動産投資と、主要統計の発表が予定されています。市場予想では、いずれも23年10-12月期、あるいは1-2月期累計から減速が予想されています。

(投資情報部 佐々木 文之)

(注)データは日本時間2024年4月15日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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