(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

16日の米国株式市場では、NYダウが上昇した一方、ナスダック総合やS&P500は下落しました。寄り前に発表されたユナイテッドヘルス・グループ(UNH US)の四半期決算が市場予想を上回ったことでヘルスケアが堅調だった他、情報技術や生活必需品などのセクターが上昇し、指数の押し上げ要因となりました。もっとも、パウエルFRB議長が討論会で高金利政策が長期化する可能性を示唆したことを受けて、米国債利回りが上昇し、株式市場の上値を抑えました。外国為替市場では、ドルが上昇し、対円で一時154.79円と、34年ぶりの高値を付けました。

相場の注目点

グローバルにインフレリスクが高まっています。日米の中央銀行がタカ派化(物価上昇の抑制を優先)しつつあり、長期金利の上昇が株価の重石となっています。米国では堅調な労働市場、地政学リスクの高まりに伴う商品市況の上昇基調を受けて、利下げ開始時期の後ずれが懸念されています。足元では、利下げの先送り慎重だったパウエルFRB議長がインフレの鈍化に懐疑的な姿勢を示したことも、懸念を強めています。一方、日本では、市場参加者の政策金利見通しは、24年末は0.25%、25年末は0.50%と小幅な利上げに留まり、緩和的な金融政策の継続がコンセンサスです。しかし、日本でもインフレの粘着性が強まりつつあり、足元の円安の進行がそれに拍車をかけ、利上げの前倒しが意識されやすくなっています。このような中、日銀の動静に注目が集まります。日銀は来週25日(木)~26日(金)、金融政策決定会合を開催します。今会合では政策金利据え置きがコンセンサスですが、会合後に公表される「展望レポート」のインフレの見通しと解釈が焦点になりそうです。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年4月17日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点