来週の注目点:主要国・地域の金融政策関連イベント

注目を集めた米国の4月消費者物価指数(CPI)(5月15日発表)は食品・エネルギーを除いたコア指数が前月比+0.3%と市場予想に一致し、6ヶ月ぶりに鈍化しました。このところ景気減速を示唆する経済指標の発表が相次いだことと相まって、市場の利下げ観測が高まり、米国株式市場では主要3指数が揃って終値ベースで最高値を更新、ドルは主要通貨に対して全面安の展開になりました。ドル円相場も1ドル=153円台半ばまで円高が進行しました。

今週は主要国・地域の金融政策を巡って注目度の高いイベントが予定されています。

米国ではFRB高官の講演が多数予定されていることから、最近の景気やインフレの鈍化に対する見解を確認する機会となりそうです。また、22日(水)には5月FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨も発表されます。パウエル議長は5月14日、「インフレが2%目標に低下するとの確信を持つには、より長い時間がかかりそうだ」との見解を示しました。複数のFRB高官からより早期に利下げを実施し得るとの見解が示されれば、株高・債券高につながることが予想されます。  

経済指標では23日(木)に主要国で5月のPMI速報値が発表されます。注目点は製造業の持ち直しとサービス業の鈍化の有無です。

日本では21日(火)に日銀が金融政策の多角的レビューに関する第2回ワークショップを開催、24日(金)には4月の全国CPIが発表されます。

ユーロ圏では21日(火)にECB政策担当者によって金融政策の方向性や今後の戦略見直しに関する議論が行われるほか、24日(金)にはドイツの1-3月期実質GDP詳報が発表され、需要項目の動きを確認することができます。  

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

(注1)イベントは全てを網羅しているわけではない。◆は政治・政策関連、□は経済指標、●はその他イベント(カッコ内は日本時間)。休場・短縮取引は主要な取引所のみ掲載。各種イベントおよび経済指標の市場予想(ブルームバーグ集計に基づく中央値)は2024年5月17日時点の情報に基づくものであり、今後変更される可能性もあるためご留意ください。
(注2)画像はイメージです。
(出所)各種資料・報道、ブルームバーグ等より野村證券投資情報部作成

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