(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

17日の米国株式市場では、主要3指数がまちまちの展開となる中で、NYダウは取引時間の最終盤に上値を伸ばし、史上初めて4万ドル台に乗せました。S&P500も引け間際に小幅ながら前日終値を上抜けるなど力強さに欠ける展開でしたが、構成する11業種中8業種(ブルームバーグベース)が上昇しています。米国債市場では大きな手掛かりがない中で前日の流れが継続し、国債利回りは利回り曲線全域に渡って小幅上昇して引け、これを受けてドル円相場は一時156円近辺までドル高・円安が進行しました。

相場の注目点

米国では先週発表された4月コアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価指数)が前月比+0.3%と6ヶ月ぶりに鈍化、利下げ観測が高まり、株価の追い風となってます。パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長を始め、多くのFRB高官は当面の間様子見の構えですが、金融政策の次の一手は利下げとの姿勢は崩していません。今週は22日に5月FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が発表されるほか、FRB高官による講演が多数予定されています。特に景気やインフレの鈍化を示唆する最近の経済指標を受けて、FOMC全体に対して先行する傾向のあるウォラー理事の政策判断に変化が見受けられるか否かが注目されます。米国ではまた、22日の引け後に発表が予定されているエヌビディア(NVDA US)の決算発表にも注目が集まっています。

日本では21日に日銀が金融政策の多角的レビューに関する第2回ワークショップを開催します。ユーロ圏では翌22日にラガルドECB(欧州中央銀行)総裁の講演が予定されているほか、23日には24年1-3月期の妥結賃金が発表されます。市場ではECBは賃金上昇率の鈍化を確認して、6月会合で利下げ実施との見方が優勢です。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)S&P500のセクター分類はブルームバーグによる

(注)データは日本時間2024年5月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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