(注)画像はイメージ。

日本企業の2024年1-3月期の決算発表シーズンが一巡しました。今回、東証上場銘柄の中でも特に時価総額の大きい銘柄から成る「TOPIX100」構成銘柄を対象に、2024年4月1日から5月20日までの期間で決算を発表した銘柄について、発表当日と翌日の株価(終値ベース)の変化率に基づいてランキングを作成しました。なお、ENEOSホールディングス(5020)のように、取引時間中に決算を発表した銘柄については、決算発表前日と当日の株価(終値)を比較しました。

トップ3を確認します。1位は三菱電機(6503)となりました。同社は円安の恩恵もあって、2024.3期に最高益を更新し、2025.3期の会社計画も最高益更新が見込まれています。2位はレーザーテック(6920)となりました。同社は2024年1-3月期(3Q)の受注高が前年同期比2.3倍の763億円となり、半導体検査装置とサービスの両面で大幅に増加しました。3位はMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)となりました。同社は決算発表と同時に上限1,900億円の自社株買いを発表しました。また、2025.3期の1株当たり配当金予想を145円(普通配当100円、特別配当45円)としました。

業種別(東証33業種)に見ると、円安進行などが追い風となったこともあり、電気機器が最も多くランクインしました。具体的には、三菱電機、レーザーテック、日立製作所(6501)、ソニーグループ(6758)、キーエンス(6861)、オムロン(6645)の6銘柄です。

今回の決算発表シーズンでは、年初からの自社株買いが8.5兆円(2024年5月16日時点)と前年同期を大きく上回った点が注目されました。さらに、配当性向の引き上げや、株主資本配当率(DOE)の導入、累進配当の導入など、株主還元を強化する動きも目立っています。

具体的な企業の動向としては、4位の小松製作所(6301)は決算発表と同時に上限1,000億円の自社株買いを発表しました。また5位のENEOSホールディングス(5020)は現行の自社株買いを終了し、上限2,000億円の新たな自社株買いの実施を発表しました。6位のオリンパス(7733)も上限1,000億円の自社株買いを発表しています。7位のリクルートホールディングス(6098)は、2024年3月期末のネットキャッシュ1.1兆円をM&A(合併・買収)と自社株買いなどを中心に、2026.3期までに約6,000億円に引き下げる計画を示したことが注目されました。8位の三井住友トラスト・ホールディングス(8309)は、2025.3期の1株当たり配当金予想を前期の110円から145円へと大幅に増配しました。以上の企業以外にも、株主還元を強化する動きが広く見られています。

(野村證券投資情報部 デジタル・コンテンツ課)

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