(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
休場明けの28日の米国株式市場は、金利上昇が株価の重石となりましたが、半導体関連株が需要増に関する報道を受けてテクノロジー関連株は上昇しました。26日に起業家イーロンマスク氏が設立したAI企業のxAI社が、大規模な資金調達によりAI関連半導体を調達すると報道され、エヌビディアなどを筆頭に関連銘柄の株価が上昇しました。一方、28日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、確率は低いが利上げの選択肢を排除しないとタカ派的な発言をしたことから、長期金利の上昇がNYダウ銘柄を中心に株価の下押し圧力となりました。NYダウは反落となりましたが、ナスダック総合指数は史上初の17,000ポイント超えとなりました。主要半導体企業の株価指数であるSOX指数は前営業日比+1.86%となりました。
相場の注目点
日本の長期金利が約12年ぶりの高い水準に達しています。昨日、金融株は上昇していましたが、本日も長期金利の上昇が続いた場合、金利上昇が景気を抑制することになりかねず、金融株の下落を誘発するものになるかどうか、注意が必要です。また、xAI社関連の報道は昨日の日本市場ではすでに報じられていたにもかかわらず、日本市場ではむしろ半導体関連株の下落が目立ちました。昨晩の米国市場の半導体関連株の上昇が、本日の日本市場のけん引役になるか注目されます。
本日のイベント
本日は5月末決算企業の配当・優待権利付最終売買日です。10:30に安達日銀審議委員の熊本での挨拶があります。14:00に内閣府から5月消費者態度指数が発表されます。海外では、南アフリカで総選挙があります。米国で地区連銀報告(ベージュブック)が発表され、FRBの金融政策をみる上で経済や物価についての分析が注目されます。
(投資情報部 小髙 貴久)
(注)データは日本時間2024年5月29日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。