(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

29日の米国株式市場では米長期金利上昇が嫌気され、主要3指数揃っての下落となりました。ドイツの5月消費者物価指数が前年同月比+2.8%と4月の同+2.4%から加速したことを受け、ドイツの長期金利が上昇しました。欧州各国の金利上昇に加え、29日実施された米国7年債の入札が2年債や5年債と同様に軟調な結果となったことが、米長期金利上昇につながりました。米金利上昇を受け、為替市場では1ドル=157円台まで円安ドル高が進行しています。

相場の注目点

世界的に金利上昇圧力が高まっており、日本の長期金利も上昇しています。29日には日本の10年国債利回りが12年ぶりの水準である1.075%まで上昇しました。背景には、日銀の利上げや国債買い入れ減額への思惑や、海外金利の上昇などが挙げられます。昨日、日銀の安達審議委員の講演では、「円安が長期化して物価高を招く場合は追加利上げなどの金融政策による対応も選択肢の1つ」と発言すると同時に、国債買い入れは段階的に減額していくことが望ましいとの考えを示しています。日本の長期金利上昇がどこまで継続するか注目されます。株式市場では銀行株や保険株などにとって、金利上昇は業績のサポート材料になると見られます。

本日のイベント

米国では、NY連銀のウイリアムズ総裁とダラス連銀のローガン総裁の講演があります。経済指標では、ユーロ圏の4月失業率や、米国の週間新規失業保険申請件数などが発表されます。

(投資情報部 大坂 隼矢)

(注)データは日本時間2024年5月30日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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