(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
30日の米主要3指数は、揃って下落しました。寄り前に発表された2024年1-3月期実質GDP改定値が、前期比年率+1.3%(市場予想同+1.3%)と、速報値の同+1.6%から下方修正されました。GDPの約7割を占める個人消費の改定値が、同+2.0%と速報値の同+2.5%から市場予想以上に下方修正されたことなどから、米景気ソフトランディングへの期待の後退につながりました。また、前日引け後に、市場予想を下回る売上高実績とガイダンスを発表したセールスフォースが、前日比-19.73%と大幅下落したことがNYダウを押し下げました。NYダウは3日続落し、約1ヶ月ぶりの安値となりました。
相場の注目点
昨日、日本の10年国債利回りが約13年ぶりに1.1%に達したことなどを受け、日経平均株価は一時900円超下落する場面がありました。6月の日銀金融政策決定会合(13-14日)を前に、当面は日銀の政策修正観測による金利変動が株式市場に影響を与えるとみられます。本日寄り前に、全国の物価の先行指標となる5月東京都区部消費者物価指数が発表されます。また、来週には、4月毎月勤労統計(5日)が発表されます。物価上昇率分を差し引いた実質賃金は、3月まで24ヶ月連続で前年同月比マイナスが続いています。これらの物価と賃金に関連する統計は、日銀の追加利上げのタイミングを見極める上で重要です。加えて、中村日銀審議委員の挨拶(6日)も、市場の関心を集めるでしょう。
本日のイベント
東京時間の午前中に、中国で5月政府版PMIの発表が予定されています。米国では、FRBが物価統計として重要視している4月PCEデフレータ―が発表されます。
(投資情報部 澤田 麻希)
(注)データは日本時間2024年5月31日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。