(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

5月最後の取引となった31日の米国株式市場で、NYダウは4営業日ぶりの大幅反発となり、S&P500は3営業日ぶりの反発となりました。4月の米個人消費支出(PCE)物価指数がおおむね市場の想定に沿う結果となり、高インフレが継続する懸念が後退しました。インフレ懸念が和らぎ、米国の長期金利の指標となる10年国債利回りは0.05%ポイント低下しました。一方で、米10年国債利回りが4.5%と依然高い水準にとどまる中、一部ハイテク株の決算が悪材料視されたことやフィラデルフィア半導体株(SOX)指数の下落が重石となり、ナスダック総合指数は、小幅ながら3営業日続落となりました。

相場の注目点

米国ではソフトランディング期待が高まる中、今週は景気、雇用に関する経済指標の発表が相次ぐ予定です。NYダウは反発したものの、強い結果を示す経済指標はインフレ懸念を、弱い結果は景気の陰りを示す懸念が一部の市場参加者にはあり、市場の反応に注意が必要です。とりわけ、経済の体温計と呼ばれる長期金利の動向には、日米ともに注目されます。

本日のイベント

日本では寄り付き前に1ー3月期の法人企業統計調査が発表されます。企業の設備投資(ソフトウェア除く)の勢いが維持されているかどうか注目されています。中国では5月財新版製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表が予定されています。前週末の5月政府版PMIは市場予想を下回りましたが、当局による景気対策の期待から中国株式市場の追い風となりました。本日も市場の反応に注意が必要です。米国では5月ISM製造業景気指数の発表が予定されています。

(投資情報部 神谷 和男)

(注)データは日本時間2024年6月3日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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