(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

7日の米国株式市場で、NYダウ、S&P500、ナスダック総合の主要3指数は揃って反落しました。5月米雇用統計は、時間当たり平均賃金の上昇率が前年同月比+4.1%と市場予想の同+3.9%や、4月の同+4.0%を上回りました。また、事業所調査による5月非農業部門雇用者数の伸びは前月比+27.2万人と、市場予想の同+18.0万人を上回った一方で、家計調査による就業者数は同-40.8万人となり、家計調査により算出される失業率は4.1%と、市場予想の3.9%や4月の4.0%を上回りました。賃金インフレが低下せず雇用者数の状況判断に時間を要する内容だったことから、早期利下げ観測が後退し、米10年国債利回りは上昇し、ドル円は円安となり、米国株は上値の重い展開でした。

相場の注目点

 6月11~12日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)が注目されます。政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標は5.25~5.50%に据え置かれ、参加者による政策金利見通し(ドットチャート)の中央値は2024年は利下げ回数が3月会合の3回から2回に減少すると市場では予想されています。利下げは開始タイミングが後ずれしたものの、開始後も継続されると市場はみており、利下げのペースを確認する意味で2025年や2026年の政策金利見通しの水準も注目されます。6月12日には5月米CPI(消費者物価指数)が発表されるため、CPIに対するパウエルFRB議長のコメントも注目されます。

 6月10~14日にアップルの開発者会議「WWDC(Worldwide Developers Conference)」が開催されます。AI関連のアップデートが予定されており、株式市場では関連株への影響が注目されます。

(投資情報部 竹綱 宏行)

(注)データは日本時間2024年6月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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