※画像はイメージです。
※2024年6月13日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
日経平均株価、史上最高値更新も視野に
今週の日経平均株価は、週初に終値で5月23日以来の3万9,000円台を回復して始まりました。その後、米FOMC等の重要イベントを無難に通過しましたが、週後半は上値の重い動きとなりました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、5月30日に一時37,617円まで下落しましたが、昨年10月以降の上昇トレンドライン上で下ヒゲを引き反発しました。ただ、戻り高値は75日移動平均線(6月13日:39,021円)に上値を抑えられ、狭いレンジでの横ばいとなっており、この先同線を上放れできるか注目されます。
さらに、5月20日高値(39,437円)を超えることができれば、4月19日安値と5月30日安値によるダブルボトムが完成しチャートが好転することとなります。その場合、まずは4月12日戻り高値(39,774円)や、心理的フシの4万円の水準へ向けた動きとなると考えられ、先行きは史上最高値(41,087円)更新が視野に入ってくるとみられます。
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(注1)直近値は2024年6月13日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
一方で、この先再度調整となり38,000円台を割り込む場合は、5月30日安値(37,617円)や、4月19日安値(36,733円)の水準が下値メドとして挙げられます。今年4月安値までの下落率(9.3%)は、波動分析上の参考局面である昨年10月安値までの下落率(9.6%)と比較し、値幅調整は概ね十分と捉えられます(図2)。この先、調整再開となった場合も、その調整規模は限定的に留まる可能性が高いと考えられます。
(注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
米国10年債利回り、本格的な利回り低下局面入りか
米FRBは高い水準の政策金利(5.25~5.50%)を1年近く維持していますが、インフレは一様に鈍化せず、米国10年債利回りは高水準での推移が続いています。ただ、今年4月以降はインフレ鈍化の兆しがみられる中、10年債利回りのトレンド(方向性)に変化がみられます。
まずはトレンドラインの観点(図3)でみると、①2023年10月ピーク(5.018%)形成後に、それまでの上昇トレンドラインを割り込み、一時4%を下回りました。その後、②再び上昇傾向となり今年4月に4.7%台まで再上昇したものの、5月中旬から6月初旬にかけての調整で上昇トレンドラインを割り込みました。
さらに、6月12日に発表された5月米消費者物価指数が市場予想を下回ったことで、6月ボトム(4.248%)を更新しました。段階的に上昇トレンドラインを割り込んでおり、これまでのトレンドに変化がみられます。
(注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
次に月足チャート(図4)をみれば、2020年3月ボトム(0.313%)形成後の利回り上昇局面で概ね下支えとなってきた12ヶ月移動平均線(6月12日:4.302%)を、今年6月に一時下回りました。この先、12ヶ月線を完全に下放れとなれば、2020年のボトムから続いた利回り上昇トレンドが終了したと捉えられます。
過去の利回りの動きをみると、天井形成後に横ばいトレンド入りとなるケースは少なく、1年を超える利回り低下トレンド入りとなっていました。今回についても利回り上昇トレンドが終了した後は、本格的な利回り低下トレンドへ移行する可能性が高いと考えられます。
(注1)直近値は2024年6月12日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。(注3)日柄は両端を含む。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)