(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
14日の米国株式市場では、NYダウやS&P500は小幅安となりましたが、ナスダック総合は5営業日連続で史上最高値を更新しました。前日までの弱い経済指標に加え、朝方に発表された5月米生産者物価や6月ミシガン大学消費者マインド(速報値)が市場予想を下振れ、景気に対する懸念が強まりました。米国株は軟調に寄り付き、その後は景気敏感株が下げをけん引しました。しかし、前日引け後に好決算を発表したアドビ(ADBE)が14.51%高となり、ソフトウェア関連の株価を押し上げた他、半導体の成長期待が続く中でテクノロジー株が全体を下支えし、主要株価指数は下げ幅を縮める展開となりました。
相場の注目点
前週の米国株は、景気に対する懸念が台頭して相場を下押しする一方、インフレ鈍化に伴う利下げ期待の継続と米長期金利の低下がテクノロジー株を中心に相場を下支えする展開でした。しばらくは、両者のせめぎ合いが続きそうです。日本株も同様に米長期金利の低下が相場の下支えになりそうですが、国債買い入れの減額を7月会合に先送りした日銀の金融政策の不透明感が短期的には相場の重石になる可能性があります。日米の金融政策の方向性に引き続き注目です。
本日のイベント
米国ではNY連銀製造業景気指数が発表されます。米国の足元の景気を占う上で注目されます。また、中国では5月小売売上高、鉱工業生産、1-5月固定資産投資・不動産投資の発表が予定されています。輸出の堅調に支えられている中国経済の本格的な復調には、個人消費や不動産市況の改善が必要条件だと見られ、そのためには住宅買い取り額の一層の拡大などの政策対応が求められるでしょう。
(投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年6月14日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。