(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
19日の米国市場は奴隷解放記念日「ジューンティーンス」の祝日のため、株式や債券など一部が休場となり、世界的に動意に欠ける展開となりました。欧州では依然としてフランスの国民議会(下院)選挙に対する警戒感が燻っており、欧州議会選挙前には0.4%ポイント台であった仏10年国債と独10年国債の金利差は0.79%ポイントまで拡大しています。また、19日はEU(欧州連合)の行政執行機関である欧州委員会がフランスやイタリアなど域内7ヶ国に対し、財政規律違反の是正を求める「過剰赤字手続き」を開始したことが嫌気され、欧州主要国の株価は軒並み下落しました。為替市場は明確な方向感を欠く中で、ドル円相場は1ドル=158円台まで円安が進行しました。
相場の注目点
FRB(米連邦準備理事会)は6月FOMC(米連邦公開市場委員会)で24年中の利下げ見通しを1回へ修正した一方で、同日公表された5月コアCPI(食品・エネルギーを除く消費者物価指数)が2ヶ月連続で鈍化したことを受けて、市場の利下げ観測は高まっています。FRBと市場の利下げ見通しには温度差がありますが、経済指標によって景気鈍化やインフレ鎮静化が確認できれば、長期金利の低下と株高を促す展開が予想されます。ECB(欧州中央銀行)は米国に先駆けて24年6月に利下げを実施しましたが、追加利下げに関しては慎重に判断する姿勢です。加えて、フランスの国民議会選挙を巡る懸念が欧州株やユーロの重石となっています。日本では日銀が次回7月30~31日の決定会合で、今後1~2年程度の長期国債購入額の減額計画を決定することを発表し、10年国債利回りの上昇に一服感が出ています。日銀は24年5月末時点で国債発行残高の5割超を保有していることから市場の関心が集まっています。
(投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年6月20日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。