※画像はイメージです。

※2024年6月20日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

チャート好転が明確となれば、本格的に戻りを試す展開へ

今週の日経平均株価は、不透明な欧州政治情勢や米国景気減速への懸念が重石となり、上値の重い展開となりました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、6月に入ってから概ね75日移動平均線(6月20日:38,966円)に戻り高値を抑えられ、上値が重い状況が続いています。
17日には大幅安となり一時38,000円を割り込みましたが、その後は昨年10月以降の上昇トレンドラインが下支えとなり、やや値を戻しました。この先、改めて75日線(同:38,966円)を突破できるか注目されます。
さらに5月20日高値(39,437円)を超えればチャート好転が明確となり、本格的に戻りを試す局面に入る可能性が高まると考えられます。

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(注1)直近値は2024年6月20日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、再び75日線に上値を抑えられ、昨年10月以降の上昇トレンドラインを下放れて調整が続く場合は、5月30日安値(37,617円)や、4月19日安値(36,733円)の水準が下値メドとして挙げられます。
今年4月安値までの下落率(9.3%)は、波動分析上の参考局面である昨年10月安値までの下落率(9.6%)と比較し、値幅調整は概ね十分と捉えられます(図2)。
この先、調整再開となった場合も、その調整規模は限定的に留まる可能性が高いと考えられます。

(注1)直近値は2024年6月20日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成

ナスダック総合指数、今後の上昇余地は

ナスダック総合指数は史上最高値を更新し続けています(図3)。
生成AI需要への期待が高まる中、5月以降は米国長期金利が再び低下し、株価は上昇基調となり、終値ベースで17,800pt台まで上昇しました。2022年12月安値(10,213pt)から7,500ptを超える大幅上昇となっていますが、チャート分析上は上昇余地が残っていると考えられます。

ナスダック総合指数は、リーマンショック以降で中長期上昇局面が5回(図3中:①~⑤)ありました。そのうち、コロナショックで高値形成となった局面(同:④)を除けば、株価は安値から1.9~2.3倍となっています。この上昇倍率を2022年12月の安値に適用すると、19,404~23,489ptと試算されます。

また多くの中長期上昇局面(図3中:②・③・⑤)では、直前の高値を突破した後も、次の天井まで1年以上上昇傾向が続いていました。今回の中長期上昇局面では、今年2月に直前の高値(2021年11月高値)を更新し、その後は約4ヶ月の上昇に留まっており、この先も上昇余地があると考えられます。

(注1)直近値は2024年6月18日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

ただし、今回の中長期上昇局面でも、昨年7月~10月にかけての調整のように、数ヶ月にわたる一時的な調整を挟みながら上昇しています。今後も一時的な調整を経る可能性はありますが、中長期の上昇トレンド自体は継続する可能性が高いと見込まれます。
チャート分析の観点でみれば、来年にかけて20,000ptの心理的フシを視野に入れる上昇が期待されます。

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

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