※画像はイメージです。
※2024年6月27日(木)引け後の情報に基づき作成しています。
先心理的節目の4万円を超えて、本格的な上昇トレンド入りとなるか
今週の日経平均株価は、円安進行や米国株高を背景に堅調に推移し、26日には一時39,700円台まで上昇しました。
チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう(図1)。日経平均株価は、6月に入ってから概ね75日移動平均線(6月27日:38,912円)に戻り高値を抑えられ、上値が重い状況が続いていました。しかし、6月25日の上昇で75日線を上抜けし、26日には5月20日高値(39,437円)を超えており、チャートの好転が鮮明となっています。
この先心理的節目の4万円を超えてくれば、今年3月22日に付けた史上最高値(終値ベース:40,888円、ザラ場ベース:41,087円)を目指す展開が期待されます。
一方で、目先の上値が重く再度押しを入れる場合、まずは、75日線(6月27日:38,912円)や25日線(同:38,763円)が下支えとなることが期待されます。
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(注1)直近値は2024年6月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成
次に中長期的な動きを確認してみましょう。今年3月高値以降の調整は、長期上昇トレンド内の一時的な調整である可能性が高いと考えられます(図2)。
(注1)直近値は2024年6月27日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
過去の一時的調整局面と比較すれば、今回は4月安値にかけての下落によって値幅調整が概ね十分となる中、3月高値から3ヶ月が経過したことで、日柄調整も進展しています(図3)。この先、史上最高値を超え、本格的な上昇トレンド入りとなることが期待されます。
(注1)直近値は2024年6月27日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社データより野村證券投資情報部作成
米長期金利、52週移動平均線の攻防
米長期金利(米国10年債利回り)は、昨年10月に5%超えのピークをつけましたが、今年4月に一時4.7%台まで戻す等、必ずしも低下基調に入っているとは言えません。
そこで、今回は週足チャートで米長期金利の動きをみてみましょう(図4)。2020年3月以降の金利上昇局面に着目すると、52週移動平均線が下支えとなる形でこれまでの金利上昇が続いており、52週線が強固な下値サポートとして機能しています。とりわけ、2021年8月、同年12月、2023年4月、同年12月にかけてのそれぞれの金利低下局面では、米長期金利は52週線を大きく割り込むことなく、同水準から切り返して上昇に転じています。
(注)直近値は2024年6月25日。
(出所)ブルームバーグより野村證券投資情報部作成
今春以降の動きに目を移すと、米長期金利はインフレ鈍化などを手掛かりに6月に一時4.18%まで再度低下し、52週線(6月25日:4.29%)を下回る動きがみられました。ただ前段で述べたように、過去の同様の局面では、52週線を「大きく割り込むことなく」一時的に下回った後に切り返しており、この先、52週線を「明確に、持続的に下放れとなるか」注目が集まります。52週線を下放れとなれば、本格的な金利低下トレンドに入った可能性が高まったと考えられ、まずは昨年12月の3.78%の水準が、これを下回ると同年4月の3.24%が視野に入ってくるでしょう。
(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)