(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
四半期末となる28日の米国株式市場は、主要3指数揃って反落となりました。前日に発表された失望的な決算を受け、スポーツ用品大手のナイキが大幅に下落し、景気悪化懸念からS&P500は小幅安で取引を開始しました。一方で、寄り前に発表された5月米個人出費支出(PCE)総合価格指数はインフレ鈍化を示し、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待から強含む場面もありました。強弱見通しがせめぎあう中で、前日比で低下していた10年国債利回りが上昇に転じたことが重石となり、米国株主要3指数は揃って反落となりました。フランスの国民議会(下院)選挙の初回投票で極右政党有利との観測が報じられ、フランスの政治情勢が不安定さを増すことや経済政策の先行きなどに警戒感が強まりました。フランス国債や欧州の国債利回りが上昇したことが米国債にも影響を及ぼしました。
相場の注目点
38,000円台で膠着を続けた日経平均株価は、前週39,000円台に上昇しました。このところバリュー(割安)株の上昇が続いており、堅調な推移を続けたTOPIXは年初来高値の2813.22ポイントを更新できるか注目されます。一方フランスの選挙結果次第では、長期金利に上昇圧力が生じる可能性もあり注意が必要です。
本日のイベント
8:50に6月の日銀短観が発表されます。7月の日銀会合での利上げ観測がくすぶる中で企業の物価と販売価格の見通しへの注目が高まっています。他には10:30に中国で6月財新版PMI、米国では6月ISM製造業景気指数が発表されます。
(投資情報部 神谷 和男)
(注)データは日本時間2024年7月1日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。