(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

フランス下院選挙の第1回目の投票結果は、極右政党の躍進となりましたが、第2回目の決選投票に向けてマクロン大統領が極右政党の議席獲得を阻むために選挙区調整を行うとの報道もあり、フランス株のCAC指数は前日比1.09%上昇したことなどが市場の安心材料となりました。米国では6月のISM製造業景況感指数が48.5と、3ヶ月連続で景況の良い悪いの境目となる50を下回りました。一方、調査指数のうち、仕入れ価格が52.1へと前月の57.0から低下していたことなど、インフレ減速を示唆する結果は株式市場に好感されたと見られます。NY連銀のウイリアムズ総裁が、出席した討論会で「2%の物価目標を持続的に達成する経路を進んでいると確信している」と述べたことも安心材料になったとみられます。トランプ候補再選の見方が強まると、貿易関税などインフレ的な政策が進むとの見方もあり、長期金利は小幅に上昇しましたが、市場のボラティリティ(変動率)リスクに対する見方を反映するVIX指数は低下しています。米国株主要3指数はそろって上昇しました。

相場の注目点

米ドル円相場が1米ドル=161円台半ばまで円安が進んでいます。昨日発表された日銀短観の全規模全産業の想定為替レートは144円77銭と、想定以上の円安水準であり、輸出企業を中心に業績への下支えが期待されますが、為替介入への警戒感も高く、市場の変動リスクは懸念材料となります。

本日のイベント

本日は、パウエルFRB議長とラガルドECB総裁がパネルディスカッションを行います。両国・地域のインフレや金融政策に関する発言が注目されます。また、米国で5月のJOLTS(雇用動態調査)による求人件数が発表されます。

(投資情報部 小髙 貴久)

(注)データは日本時間2024年7月2日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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