(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

9日の米国株式市場ではS&P500株価指数とナスダック総合指数が6営業日連続で上昇し、最高値を更新しました。ただし、欧州市場では主要国の株、国債ともに下落、米国でもNYダウが前日比小幅安で引けるなど、全体的に勢いに欠ける展開となりました。FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長は、上院銀行委員会の公聴会で半期に一度の議会証言に臨み、年内に利下げを実施する意向を示したものの利下げに向けたタイムラインは示しませんでした。為替市場では米金利上昇を背景にドルが堅調に推移し、ドル円は一時161円台半ばまで円安ドル高が進行しました。

相場の注目点

米国の金融政策を巡っては、11日発表の6月CPI(消費者物価指数)が注目されます。ブルームバーグの調査では食品とエネルギーを除いたコアCPIの前月比上昇率は2ヶ月連続で+0.2%と予想されています。また、米国では大手金融機関を筆頭に2024年4-6月期の決算発表が本格化します。市場では利下げ観測を背景に金融機関の業績見通しが注目を集めると見られるほか、個人消費に陰りがみられることから、小売関連企業の売り上げ動向などへの関心が高まっています。

一方、日本では、日銀が国債の買い入れ減額に関して市場参加者の意見を確認する「債券市場参加者会合」の説明資料を公開し、注目を集めています。会合前に集めた参加者の意見を見ると、減額の幅やペースなど、具体策に関しては参加者の間で意見に相当な開きがあるようです。

本日のイベント

本日は下院でパウエル議長が証言を行うほか、グールズビー・シカゴ連銀総裁の講演が予定されています。

(投資情報部 尾畑 秀一)

(注)データは日本時間2024年7月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

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