※2024年7月11日(木)引け後の情報に基づき作成しています。

一部テクニカル指標に過熱感みられるも、長期的には上昇余地あり

今週の日経平均株価は、米国株が堅調に推移したことや円安進行を受けて大幅上昇し、11日まで3日連続の史上最高値更新となりました。

チャート面からこれまでの動きを振り返ってみましょう。日経平均株価は、6月26日に5月20日高値(39,437円)を超え、チャートの好転が鮮明となりました。

7月に入り株価は史上最高値を更新し、11日には史上初の42,000円台にのせました。急騰した反動をこなしつつ、この先、今年3月以降の押し幅の倍返し水準(44,708円)や心理的フシの45,000円などを目指す動きが期待されます(図1)。

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(注1直近値は2024年7月11日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。 
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

一方で、これまでの大幅上昇で一部テクニカル指標は短期的な過熱感を示唆する水準にあります。目先の上値が重く、3月高値(ザラバベース:41,087円)を割り込んで押しを入れる場合は、心理的フシの4万円の水準が下支えとなるか注目されます(図2)。

(注1)直近値は2024年7月11日時点。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。
(出所)日本経済新聞社より野村證券投資情報部作成

次に月足チャートで中長期的な動きを確認してみましょう。新値累積数値という新高値(安値)の更新回数をカウントした数値をみると、今年7月高値は、起点から9回の高値更新となっています。過去の長期上昇トレンド(図3:①~③)では11~21回の高値更新となっており、同局面と比較した場合、この先も上昇余地があると考えられます。

(注1)直近値は2024年7月11日。 (注2)トレンドラインには主観が入っておりますのでご留意ください。(注3)2023年12月22日から新値累積数値の起点を天井形成時の高値・底値形成時の安値とした。
(出所)日本経済新聞社、各種資料より野村證券投資情報部作成

米国株、年前半大幅上昇なら年後半も堅調

2024年、早くも半年が過ぎ、既に年後半に突入しています。年前半の米国主要指数の上昇率は、NYダウこそ3.8%に留まったものの、S&P500指数は14.5%、ナスダック総合指数は18.1%の大幅上昇となりました。

1950年以降の米国株(S&P500指数)について、年前半大幅上昇だったケースをみると、年後半も堅調な動きとなるケースが多く見られました(図4)。特に1990年以降において、年前半に10%以上上昇した10回のケースについては、年後半もすべてのケースで上昇し、上昇率は平均で10%を超えています。尚、S&P500指数が大幅上昇した年においては、ナスダック総合指数も年後半に大幅上昇となっています。これらアノマリーを参考とすれば、2024年後半にも期待できそうです。

(注1)左図の直近値は2024年6月末。1950年~2023年のデータに基づく。ケース別月間騰落率の平均値を基に算出。右図の年前半は昨年末~6月末、年後半は6月末~12月末。
(出所)S&Pダウジョーンズ・インデックス社より野村證券投資情報部作成

さて、ナスダック総合指数は、これまで大幅上昇となり、7月に入ってからも史上最高値の更新が続いていますが、さらなる上昇余地はあるのでしょうか。チャート面で見れば、上昇余地が残っていると考えられます(図5)。リーマンショック以降の過去5回の中長期上昇局面(図5中:①~⑤)のうち、コロナショックで高値形成となった局面(同:④)を除けば、株価は安値から1.9~2.3倍となっていましたが、今回はまだ1.8倍の上昇に留まっています。この先、急騰の反動はみられる可能性がありますが、上昇基調自体は続くと考えられます。

((注1)直近値は2024年7月10日。 (注2)トレンドラインには主観が含まれておりますのでご留意ください。 (注3)日柄は両端を含む。
(出所)ナスダックより野村證券投資情報部作成

(野村證券投資情報部 岩本 竜太郎)

※画像はイメージです。

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