(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
17日の米国株式市場では、NYダウが続伸し、3日連続で過去最高値を更新しました。一方、テクノロジー関連の比率が高いナスダック総合は大幅安となりました。半導体製造装置メーカーASMLホールディング(ASML)が欧州時間に発表した2024年4-6月期決算は売上高等が市場予想を上回ったものの、米国の対中規制強化の可能性が材料視されて株価が大幅下落したことを受けて、半導体を中心に情報技術セクターが下落しました。一方、寄り前発表のジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の24年4-6月期決算が市場予想を上回ったことをきっかけにヘルスケアが上昇した他、公益や生活必需品などのディフェンシブ銘柄が堅調でした。為替市場では、1ドル=156円台前半まで円高ドル安が進行しました。トランプ米大統領候補によるドル高を問題視する発言や、河野デジタル相が円安の是正を日銀に求めたと報じられたことなどが材料視された模様です。
相場の注目点
トランプ候補の再選を見込んだ「トランプ・トレード」と、本格化する決算発表が相場のテーマとなりそうです。足元では対中規制強化による先行き懸念と相場の過熱感が意識された半導体などの銘柄に調整が入る一方、出遅れ銘柄が上昇する動きが見られます。他方、利下げ期待がこれまで株価上昇を後押ししてきましたが、トランプ候補の政策は景気を押し上げる一方、インフレ圧力と金利上昇につながる可能性が指摘されます。
本日のイベント
中国で15日から開催されている中国共産党の重要会議である三中全会が最終日を迎えます。同会議では、主に中長期の政策が議論され、過去には重大な政策変更も行われてきました。不動産不況、内需の低迷、地方財政の困窮など、構造的問題が山積する中、どのような政策方針が打ち出されるのか注目です。
(投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年7月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。