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2024年前半の日本株市場は、日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)がそろって34年ぶりに史上最高値を更新するなど順風満帆の相場展開を見せていましたが、年後半に入って暗転しています。日銀のタカ派(利上げに積極的)化懸念と米国の景気下振れリスクに加え、それらに伴う円高加速への警戒感が市場で強まった結果、8月に入って歴史的な急落に見舞われました。

日経平均株価は、今年7月11日高値からわずか1ヶ月弱で1万円を超える大幅下落となり、8月5日(月)には前営業日比で4,451円安(12.40%安)の歴史的な急落となりました。1営業日の騰落としては、1987年10月20日のブラックマンデー(3,836円安)を上回る歴代1位の下落幅で、下落率はブラックマンデーの14.90%安に次ぐ歴代2位となります。

その一方で、各種テクニカル指標が軒並み極端な売られ過ぎを示唆する水準まで低下したことから、翌6日以降は自律反発に転じています。8月6日は一転して歴代1位の上昇幅(上昇率では歴代4位)となる前営業日比で3,217円高 (10.23%高) の過去最大となる急反発となりました。過去の歴史的な急落時は、その後に歴史的な急騰がワンセットになっているケースがほとんどです。当面は上下に値動きの荒い相場展開を覚悟する必要がありそうです。

今年7月以降の株価急落と、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマンショック、2020年のコロナショック等の過去の急落局面とその後の株価の推移を見てみましょう(下図)。一番深く、長い調整となったのはリーマンショック後の調整ですが、当時は金融危機と呼ばれる状況で、深刻な信用収縮も起こっていました。一方、ブラックマンデーやコロナショック時の株価の動きはどうだったのでしょうか。両ケースともに直前の高値から1ヶ月前後で大底をつけ、その後は一時上値を抑えられる局面はあったものの、半年程度で急落前の高値前後まで値を戻しています。

過去の経験を参考とすれば、今回は、米国や日本で金融危機や信用収縮は発生しておらず、後者のパターンに当てはまりそうです。この先、8月中は引き続きボラタイルな展開が続く可能性はありますが、時間の経過とともに徐々に下値を固めていくとみられます。その後は、戻り待ちの売りをこなしつつ、年末に向けて本格的な戻り相場入りとなることが期待されます。

テクニカル分析は過去の株価・為替等の値動きを分析・表現したものであり、将来の動きを保証するものではありません。また、記載されている内容は一般的に認識されている見方について記したものですが、チャートの見方には解釈の違いもあります。

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