(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
6日の米国株式市場では主要3指数が揃って下落しました。寄り前に発表された8月の雇用統計はまちまちの結果でした。非農業部門雇用者数は前月比14.2万人増と市場予想(同16.5万人増)を下回ったものの、7月の同8.9万人増(同11.4万人増から下方修正)から持ち直しました。失業率も4.2%と7月(4.3%)から改善、平均時給は前月比+0.4%と市場予想(同+0.3%)を上回り、7月(同+0.2%)から加速しました。同統計発表直後、国債利回りは乱高下し、雇用統計の評価を巡って市場でも見方が大きく振幅したことを示しました。S&P500は前日終値から小幅高で寄り付いた後は、低下基調をたどり、その後も安値付近での推移となりました。一方、FEDウォッチツールによれば9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で0.5%ポイントの利下げ確率は、発表直前の4割から3割へと低下しています。米国では債券市場と比べて、株式市場のセンチメントが弱気方向に傾斜している様子がうかがわれます。
相場の注目点
今週は日米ともに中銀の政策判断に大きく影響を与えるような指標やイベントは予定されておらず、政治イベントが市場の注目を集めそうです。米国では10日(火)にハリス副大統領とトランプ前大統領の討論会が予定されています。各種世論調査の支持率ではハリス氏がトランプ氏を上回っている様ですが、依然として僅差のため直接対決の結果次第では市場の材料となる可能性があります。日本では12日(木)に自民党総裁選が告示されます。7月には河野デジタル相や茂木幹事長が円安阻止を念頭に日銀に利上げを促すような発言を行うなど、選挙結果次第では2013年の共同声明から続いた政府と日銀の関係が変化するとの思惑が高まる可能性があるため、注意が必要です。
(投資情報部 尾畑 秀一)
(注)データは日本時間2024年9月9日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。