(注)画像はイメージです。
海外市場の振り返り
9日の米国株式市場は、目立った材料が無い中、主要3指数が揃って上昇しました。前週はNYダウが1200ドルを超す大幅下落となったこともあり、短期的に売られ過ぎとの見方から、値下がりした株を買い戻す動きが優勢となりました。また、朝方から米10年債利回りが低下したことを受けて情報技術セクターなどが上昇し、指数全体をけん引しました。セクター別では、全セクターが上昇し、情報技術以外では、一般消費財や資本財などが堅調でした。債券市場では、FRBの利下げを織り込んで債券価格の上昇が続いており、米10年物国債利回りは3.70%に小幅に低下しました。為替市場では、ドルが5営業ぶりに反発し、1ドル=143円付近まで円安ドル高方向に進みました。
相場の注目点
本日の相場は、米国で大統領候補者討論会(日本時間は11日午前10時)及び11日に米8月消費者物価指数(CPI)の発表が予定される中で発表待ちの雰囲気となり、小動きとなる可能性があります。民主党の大統領候補に指名されたハリス副大統領の支持率は、主要な激戦州でもトランプ前大統領を上回っている模様です。この討論会を経て、支持率がどのように変化するのか注目されます。米国の景気減速懸念と利下げ期待が円高ドル安圧力となる一方で、両候補とも財政拡張的な政策が見込まれる点は今後の円安ドル高圧力になり得ると見られています。トランプ候補が巻き返して仮に勝利した (特に同日行われる連邦議会選挙で上下院を共和党が過半数を獲得)場合には、減税の延長・拡充、輸入関税の大幅引き上げに伴うインフレ再燃期待から、為替相場は円安ドル高で反応しやすいと見ています。いずれにせよ、今月から米大統領選に掛けては「大統領選トレード」が活発化し、市場のボラティリティ(変動性)が再度高まる可能性があります。
(投資情報部 坪川 一浩)
(注)データは日本時間2024年9月10日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。