(注)画像はイメージです。

海外市場の振り返り

17日の米国株式市場では、NYダウが小幅反落した一方、ナスダック総合及びS&P500は上昇しました。朝方発表された米国の8月の小売売上高が前月比+0.1%と市場予想(同-0.2%)を上回り、8月鉱工業生産が同+0.8%と前月からプラスに転じて市場予想(同+0.2%)を上回りました。堅調な経済指標を受けて経済のソフトランディング(軟着陸)期待が継続し、米主要株式指数は上昇して寄り付きました。また、現在開催中(17日~18日)の9月FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを決定するとの観測も相場を下支えしました。しかし、直近1週間で株価が大幅上昇したことによる高値警戒感から、株価は徐々に上げ幅を縮めました。債券市場では、米国経済の底堅さが意識されて米10年国債利回りが3.64%に上昇しました。為替市場では、米長期金利が上昇する中、1ドル=142円台前半まで円安ドル高が進展しました。

相場の注目点

日本株は、米国時間における円安ドル高が相場を後押しする材料になりそうです。今後の相場は日米の金融政策の結果がカギになると見られます。9月FOMCでの利下げ幅を巡って市場の見方は大きく揺れ動いています。17日発表の堅調な経済指標を受けて、市場の大幅利下げへの観測は若干低下しましたが、それでも0.50%ポイントの利下げの確率を5割以上織り込んでいます。市場の見方が大きく分かれていることから、いずれの結果であっても相場は大きく動く可能性があります。他方、日本では明日19日から20日に日銀金融政策決定会合が開催されます。7月会合での利上げの影響と、その後に不安定化した金融市場の動向を見極めるため、金融政策の現状維持が見込まれます。市場では年内の利上げを予想する向きが多く、今後の日銀の金融政策のスタンスを探る上で注目が集まります。

(投資情報部 坪川 一浩)

(注)データは日本時間2024年9月18日午前7時半頃、QUICKより取得。ただしドル円相場の前日の数値は日銀公表値で、東京市場、取引時間ベース。CME日経平均先物は、直近限月。チャートは日次終値ベースですが、直近値は終値ではない場合があります。

野村オリジナル記事の配信スケジュール

ご投資にあたっての注意点