来週の注目点:FRB高官の講演、自民党総裁選の結果

FRB(米連邦準備理事会)は9月17-18日に開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)で、0.5%ポイントの利下げを決定しました。パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、今後の利下げペースに関して「必要に応じ、より急速にも、より緩やかにも、もしくは休止することもできる」と柔軟な姿勢を示しました。また、同時に公表した政策金利見通し(中央値)では、1回当たりの利下げ幅を0.25%ポイントとした場合、24年中に追加2回、25年中は4回の利下げとの見通しを示しました。市場はFRBの利下げ局面入りを穏当な形で消化したことから、今後は再び経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)への注目度が高まることが予想されます。

米国ではウィリアムズNY連銀総裁やバーFRB副議長(いずれも26日(木))など、複数のFRB高官の講演が予定されています。9月会合での利下げ幅が0.5%ポイントになったことの背景など、今後の利下げペースや政策金利の着地点を予想する上での手がかりを巡って市場の関心を集めることが予想されます。また、経済指標では23日(月)の9月PMI速報、24日(火)の9月消費者信頼感指数、27日(金)の8月個人消費支出・所得統計に注目です。

日本では27日(金)に自民党総裁選の投開票が行われます。事実上、次期首相を決める選挙であり、今後の財政・金融政策にも影響する可能性があることから、結果が注目されます。

欧州では23日(月)にユーロ圏、ドイツの9月PMI速報、24日(火)にドイツの9月Ifo企業景況感指数など、景気に対して先行性があり、重要度の高い経済指標が発表されます。ドイツ経済の下振れ懸念が高まるようならば、市場では10月会合での利下げ観測が高まり、ユーロ安を促す可能性があります。

24日(火)には豪州、26日(木)にはメキシコで金融政策会合が開催されます。米国の大幅利下げを受けた各国中銀の反応が注目されます。

(野村證券投資情報部 尾畑 秀一)

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